ラム酒の種類とその選び方|アグリコールラムとトラディショナルラムの違いを解説
2024/03/04
ラム酒には、蒸留方法や原料によって、アグリコールラムとトラディショナルラムの2種類があります。どちらを選ぶかによって、味わいや使い方が大きく異なるため、選び方は重要です。本記事では、ラム酒の種類とその選び方について解説します。
目次
ラム酒とは?
ラム酒とは、サトウキビを原料とし、蒸留によって作られるアルコール飲料です。ラム酒の起源は不明とされますが、何百年にもわたり世界中で飲まれてきた歴史があります。17世紀にカリブ地域で作られ始めたとされ、当初は固形物である蔗糖から酵母を作り、その酵母を用いて発酵させていました。その後、蒸留器が使われるようになり、より純粋なアルコールが製造されるようになりました。19世紀には、ラム酒は航海者たちの間で人気を博し、海賊たちの手に渡ってカリブ海沿岸では密輸が広まりました。現在では、ラム酒は世界中で愛されるアルコール飲料であり、多様な味わいを持つ様々なブランドが存在します。
アグリコールラムとトラディショナルラムの違いとは?
ラムといえば、甘く芳醇な香りが特徴であり、世界中で愛されています。ラムには、大きく分けてアグリコールラムとトラディショナルラムの二つがあります。アグリコールラムは、サトウキビを原料として作られるラムで、フランス領アンティル諸島のマルティニーク、グアドループなどで生産されています。一方、トラディショナルラムは、砂糖を精製した際の搾りかす(モラセス)を原料として作られるラムで、カリブ海域や中央南米などで生産されています。アグリコールラムはフルーティーで軽やかな味わいが特徴で、トラディショナルラムは深いコクと味わいがあります。どちらも、ラムとしての風味は共通していますが、生産方法・原料によって異なる魅力があります。
アグリコールラムの製法
アグリコールラムは、バーで人気の高いラム酒の一種です。その製法は、まず最高品質のサトウキビを選別し、搾汁したものを醸造タンクに入れます。そこへ酵母を加え、長時間発酵させ、アルコール度数を上げていきます。次に、蒸留器にかけ、蒸留してアルコール分を高めます。この際、最初の蒸留で得られたヘッド(毒性のある成分)とテール(味の劣る成分)は取り除かれ、純度の高い酒質が得られます。最後にオークの樽に入れ、熟成させることで、香り豊かで芳醇な味わいが生まれます。アグリコールラムの製法は、高い技術を要するものですが、その努力が評価される美味しさがあるため、希少価値が高く、また多くのラム愛好家に愛されています。
トラディショナルラムの選び方
トラディショナルラムとは、ラム酒の中でも特に伝統的な製法で作られたものを指します。伝統的な製法とは、モラセスと呼ばれる砂糖を精製した際にできた搾りかすの糖蜜を発酵させ、蒸留して作るもので、ラム酒の原産地であるカリブ海地域では、古くからこの製法で作られたものが多く生産されています。トラディショナルな製法で作られたラム酒は、多くの場合、樽熟成され、芳醇な香りや深い味わいを持っています。希少なアグリコールラムと比べて、工場で大量生産のできるのが特徴で、ラムの製造の全体の約90%以上がこのトラディショナルラム(インダストリアルラム)と呼ばれた製法でできたラムです。
おすすめのラム酒の飲み方
ラム酒は、カクテルの材料としてよく使われますが、そのまま飲んでも美味しいです。おすすめのラム酒の飲み方は、水で割る方法です。氷とともにラム酒をグラスに注ぎ、水を少量ずつ加えて、ラム酒の味を調整します。この方法でラム酒を飲むと、アルコール度数が高いラム酒でも、飲みやすくなります。また、ラム酒には様々な風味がありますが、水で割ることで、その風味をさらに引き出すことができます。アロマがあるラム酒は、古いグラスに注ぐと、香りがより一層楽しめます。ラム酒を美味しく飲むコツは、ラム酒に合わせたグラスを使うことです。合わせたグラスで飲むと、ラム酒の味わいをより深く体験できます。ラム酒は、シンプルに水割りしても美味しく楽しむことができるので、ぜひお試しください。